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ココナッツ図書館 夜間書庫

魔女とコヨーテ」
第六話 道の先

第六話: 道の先 23

2009.12.14  *Edit 

 まぶたの奥が明るい。耳に微かに鳥の囀りが聞こえた。
 昨夜はなかなか眠れずに、結構な時間起きていた気がする。もう太陽は高くなってるだろうと思ったが、どうも体が重い。
 考える内に、目覚めた感覚が肉体の隅々にまで行き渡る。胸元に何か違和感を感じて、シェリルは目を開けた。真っ青な空と太陽が目に飛び込んでくる。
 視線を下げると、コヨーテと目が合った。彼はいつものように穏やかに微笑んだ。
「起きた?」
「……何してんの?」
 問いかけながら、シェリルの頭にうっすらと血が上っていく。コヨーテは、仰向けになった彼女の体に覆いかぶさり、シェリルの質素な巡礼服の胸元の紐はほどかれていた。広げられたそこから、半ば胸が露出している。柔らかく微笑んだままのコヨーテの手は、まだそこに置かれている。どうやらシェリルが起きる前から、彼女の体を探っていたらしい。
「だって、君、最近すぐ寝ちゃうんだもん」
 悪びれもせず、彼は、触れていたシェリルの乳房を握り締めた。男の指先と掌の感触、その温かさを感じ取り、彼女の体は急速に熱をもっていく。
「ゆうべだって……」
「だって、あなた怪我してるじゃない。それにゆうべはあなたの方が、先にぐーぐー鼾かいてたよ」
 コヨーテの声を遮って言うと、僅かに彼の眉が寄った。
「だって、君何も言わないで、むっつりしてたから」
「むっつりしてないよ。あなた、怪我してるから……」
「もう治りかけだよ」
 コヨーテは左手を伸ばし、シェリルのもう片方の乳房をつかんだ。柔らかく揉まれる。彼の長い指先が、時折肋骨の上を撫で、ぞくりとするような快感が伝わってきた。
 初めて体を重ねた夜のように、眠っているシェリルの肌を撫でていたのだ。彼女の心に喜びが満ちてくる。ずっとそうだった。彼がシェリルに関心を持ってくれるなら、それが欲望でも好奇心でも、何でも構わなかった。
 ずっと他の女と寝ていたくせに。
 そうした声は、心の深淵から聞こえてきたが、今口にのぼらせるのはやめた。思ったことをそのまま相手に伝えることは、誠実でも正直でもない。シェリルはそれを痛いほど学んでいた。

「もうちょっと目を覚まさないかと思った」
 呟きながら、コヨーテの手が服の胸元をさらに押し下げる。シェリルの豊かな丸い乳房が露わになった。澄んだ空気を突き刺す日差しが、白い胸元に降り注ぐ。真昼の空の下、こんな山林で肌を出していることが、恥ずかしくなる。      
 彼は陽光を遮るように、シェリルの顔を覗き込んで続けた。
「君、幸せそうに寝てたもんね。……ヨダレの跡ついてる」
 コヨーテは胸をまさぐっていた右手を、シェリルの頬に伸ばして、彼女の口元のざらつきを親指で拭った。みっともないと思ったが、何故かそこから小さな震えが走り、彼女は肩を竦ませた。
 差し込む日差しが翳る。近づいたコヨーテの顔を、シェリルは両手で挟んだ。目は閉じず、彼の唇が彼女の唇に触れるまで、ずっと彼を見つめ続けた。
 柔らかいコヨーテの頬に沿って、薬指を滑らせると、顎の下に僅かに生えた無精髭のざらつきに当たる。普段、彼は薄い髭を綺麗に剃っているので、その感触を指で辿ることは、とても珍しかった。愛しむようにそこを繰り返し撫でると、コヨーテは微かに顎を震わせた。
 唇が優しく押し開けられ、舌が滑り込んでくる。シェリルは目を閉じて、その感触を味わうことに集中した。彼の舌が奥深くまで入り込み、歯茎を這って、上顎に伸びる。淡い悪寒にも似た刺激が頭に伝わった。
 シェリルも懸命に舌を伸ばし、彼の舌の裏側に寄り添わせる。唾液が溢れて、口の中に満ちた。コヨーテの舌が彼女の口の中を這い回る間、唾液は溢れ続け、寝転がったままのシェリルの口の端から流れ出した。彼の左手はその間も、シェリルの乳房を撫で、揉み続けた。
 彼の舌がそっと出ていく。唇が離れる寸前、下唇に軽く歯を立てられ、背骨のあたりがぞくぞくした。
 コヨーテの頭は、そのままシェリルの体の下へと下がり、彼女の両の乳房の間に埋まった。
「幸せ……」
 彼は呟きながら、シェリルの胸の膨らみを舐め、柔らかさを確かめるように甘噛みする。快楽より緩い、幸福感にも似た感覚を味わっていると、コヨーテの唇が乳首に触れた。柔らかい唇で強く吸い上げられ、色のついた鋭い刺激が突き上げてくる。
「赤ちゃんみたい」
 弾む息をこらえながら思わず呟くと、乳房に吸い付きながら視線を上げた彼は、目を細めた。笑ったのか、むっとしたのか、分からない。
 彼の手の中で弄ばれるたびに形を変えていた、反対側の乳房がぎゅっとつかまれ、その中心突起を指先の爪で撫でられた。
「あっ……」
 喉の奥から鋭い声が吐き出される。刺激を与えられた乳首は、すぐに反応して固く尖り始めた。コヨーテはそれを楽しむように、爪の先で乳房の先端を優しく引っ掻き続ける。柔らかく、弾力のある乳房も、その動きに合わせて小刻みに震えた。
 彼は娘のその姿を見て高ぶり、彼女もまた、彼に触れられて反応する自分の体を見下ろして、興奮した。
 コヨーテが吸い付いている方の乳首に、軽く歯を立てられる。唇を閉じて喘ぎをこらえたが、深い溜め息が鼻から漏れた。彼はそこを優しく噛んだまま、先端を尖らせた舌で器用につつく。
「ん……う」
 シェリルは拳を口に押し当てて、乱れる声を押えようとした。コヨーテはそれを見ると、彼女の胸から顔を離し、耳たぶにくちづける。
「我慢しなくても大丈夫だよ」
 通りのいい声が、鼓膜を揺らした。熱っぽく湿ってきた意識の中で、シェリルはどうにか首を振る。
「でも、真っ昼間だし。人が来たら……」
「来ないよ。ここ道からは外れてるし」
「でも兵隊が追いかけてきたら……」
「その時は、その時だよ。誰もいないから大丈夫」
 囁きと共に、濡れた舌が耳に滑り込んでくる。
「ああっ……!」
 痺れはそのまま耳を通って脳に伝わり、全身に甘く広がった。思わず漏らした快楽の喘ぎが、彼と彼女自身を煽り立てる。唾液を残して、耳の中を、動物か昆虫のように舌が這い回った。腰から力が抜けていく。シェリルは無意識に彼の脇腹あたりの服を握り締め、強烈な感覚をこらえた。
「はあっ……ああああっ……あ……んっ」
 乾いた空気に、彼女の喘ぎ声が混じる。高くなり始めた太陽の光は熱く、既にシェリルは僅かに汗ばんでいる。
「スゴイ声出しちゃって、ほんとに耳弱いんだね」
「だって……だって」
 頭の中も熱くなり、もう聞かれたことに答えることもできない。こんな感覚も久しぶりだった。彼が唯一の主に見える。

 首筋に唇が押し当てられる。快楽の溜め息をつく間もなく、そこを強く吸われた。かつてコヨーテが、王都にいる彼女に会いに来ていた時、会うたびに同じことをされた。シェリルの首筋には、小さな赤い痣がつき、目ざといイーミルに、一度からかわれたことがある。
 その間に、コヨーテの手は、慎ましい巡礼服の裾を持ち上げて、中に入り込む。元は丈の長い服だったが、コヨーテの怪我の手当てをする為に、随分と裾を切り落として裂いてしまったので、今は膝下丈くらいになってしまっている。
 膝に日差しを感じ、太ももに彼の手が触れた。腰が震える。
 首筋に舌を這わせながら、彼は彼女の腿に置いた手を上へと撫で上げた。彼の指先は、柔らかい肌に、心地良く沈み込んだ。
 秘唇に下着の上から指先が触れる。ふっくらしたそこを、確かめるように何度か軽く押された。
 首筋から離れたコヨーテの唇は、再びシェリルの唇に触れる。彼女はすかさず舌を伸ばして、彼の口の中に入り込んだ。はやるその動きを嗜めるように、舌先を甘噛みされる。ぞくりとする快楽は、首の後ろに集まって、頭を熱くさせた。
 彼の指は、彼女の陰裂を撫でるように動く。すでにそこは内側から溢れてきた粘液で、僅かに湿っていた。指先はその端に潜り込み、下着の上から小さな突起を探り当てた。力を込められると、シェリルの体を鋭く熱い刺激が駆け抜ける。
「ん……う!」
 コヨーテと唇を合わせながら、彼女は呻いた。彼の指に、陰核を押し潰すように力が込められる。それを刺激するように、小刻みに動き始めた。
「あっ、あっ……はああっ」
 突き上げてくる快楽に耐え切れず、シェリルは唇を彼から離し、コヨーテの腕を掴んで喘いだ。
「そこ、傷だから、痛いよ」
 微苦笑を浮かべた彼は、そっとシェリルの手を払い、体を離す。
「ごめんね」
 彼が怒ったのかと思い、慌ててシェリルは、そう言いながら起き上がろうとした。しかし穏やかに体を押し返される。コヨーテは再び彼女の服を捲り上げたと思うと、その中に頭から入り込んだ。
「何してんの。恥ずかしいよ」
「いいの。じっとしてなさい」
 断固とした、しかし穏やかな口調で命じられると、それ以上逆らう気力も根こそぎ奪われてしまう。そしてそれは、とてつもなく甘美だった。
 両脚を大きく開かれる。その間に、下着の上から何か柔らかいものが触れた。脚の付け根に、時折さらさらとした髪が触れる。彼の顔が今どこにあるか悟り、シェリルは顔を赤らめた。秘唇の裂け目を、湿った舌が何度も撫でる。時々それは尖り、下着を突き破ろうとするかのように、陰裂の奥に向かって差し込まれた。体の内側から溢れてきたものが、湿った音を立てる。
 シェリルは、羞恥に耐えるように閉じていた目をうっすらと開けた。抜けるような真昼の空が頭上にある。コヨーテと、屋外でこうして肌を重ねることは何度もあったが、陽光をものともせず、昼間に交わるのは初めてのことだ。本当に動物になってしまったみたいだと思った。

 彼は質素な汚れた服の中で、はしたなく広げられたシェリルの両脚の間をしげしげと眺めた。真昼の光の下で見つめるには、あまりに淫靡だ。彼女の体の中から滲み出してきた液体は、下着をしっとりと濡らし、微かに肌と陰毛が透けて見えるほどだ。
 もうひと月以上、シェリルを抱いていなかった。彼女も格別、彼の体をねだるようなことはなく、山に入る少し前からは、眠るのも別々だったほどだ。既にシェリルは、彼自身や、性行為そのものに興味が無くなったのかもしれないと思っていた。
 だがこうして彼が優しく触れてやれば、すぐに熱くなってしまうらしい。素直で可愛いらしい。シェリルがいつもこんなに素直であれば、あんなに彼女とこじれることはなかったのかもしれないと、彼は思った。
 指先で、股間を包む布をそっとどける。隙間から覗ける娘の秘部は、熱くぬめった愛液にまみれている。立ち上がり始めている彼の股間に、さらに血が集まる。そこに指を突き入れてやりたい衝動を抑え、彼は一度手をどけた。  

 シェリルは、コヨーテが服の中から顔を出すのを見て、安堵の息をついた。嫌ではないが、やはり恥ずかしい。
「起きて」
 コヨーテは彼女の頭を支えて、体をそっと起こさせる。逆らわずに上半身を起こしたシェリルは、彼がベルトを外しているのを見て、彼の意図を悟った。
「寝てていいよ」
 彼がベルトを外し終わらないうちに、シェリルは座ったコヨーテの肩を押して、体を倒させた。
「え、でも……」
「いいの。怪我してるから」
 彼はためらいながらも、シェリルにされるまま、地面に寝転がった。先ほどとは逆に、彼の上に覆いかぶさったシェリルは、唇を重ねた。そっと触れるだけだったつもりが、まるで食いつかれるように、下唇を強く吸われる。
「ん……」
 シェリルは一瞬彼に強く唇を押し付けると、そっと顔を離した。彼の上着の裾を捲り上げる。うっすらと筋肉が浮いた腹と、厚くはない胸がむきだしになった。彼女は彼の臍に舌を触れさせた。コヨーテの腰がごく僅かに浮く。
「待って、シェリル。汚いよ……」
「汚くないもん」
 そう言ったものの、怪我のせいもあって、たまに濡れた布で体を拭くぐらいしかしていなかった彼の体は、普段よりやや汚れている。体臭もきつく、臍からも僅かに独特の匂いが漂った。けれど汚いなどとは思わなかった。腹の中央にある、不思議な形の窪みを丁寧に舐め、シェリルはさらに舌を上に這わせた。
 塩辛く、微かに苦味のあるコヨーテの肌を味わいながら、彼の胸にある小さな突起に触れる。彼は淡い溜め息を吐いた。
 先ほど彼にそうされたように、乳首に吸い付く。痛くないように唇の内側でそっと吸うと、コヨーテの手が伸びて、シェリルの頭を撫でた。そうして乳首を吸いながら、そっと鎖骨に沿って肌を撫でる。
「あ……」
 眉を寄せた彼が掠れた声を吐いた。
 彼はじゃれつく犬のようなシェリルの頭を、もっと強く抱き締めてやろうと思ったが、彼女の頭はするりと下に下がった。小さな柔らかい手が、彼の内腿を撫でる。やっと彼女が、熱くなった彼自身に触れてくれる。やや呼吸を乱し始めた彼は、思わず腰を浮かせた。
 しかしシェリルは、固く尖って服を押し上げている彼の陰茎にはなかなか触れず、じらすように内腿を撫で、柔らかく垂れ下がる陰嚢を弄んでいた。
 彼女はやがてそれに飽きると、やっとコヨーテのズボンの紐を解き始め、そっと下に押し下げた。
 シェリルのその覚束ない、不器用な手つきを感じ、彼はさらに下半身がいきり立つのを覚えた。
 下着をずり下げると、立ち上がりかけた彼自身が顔を出す。もう少しじらしてやろうと思っていたが、シェリルはついその驚異の生き物に触れてしまった。彼女の手の中で、それはあっという間に固くなって反り返る。
「おもしろーい」
「おもちゃじゃないよ」
 シェリルが思わず呟くと、憮然としたコヨーテの声が返ってきた。
 されるがままのくせに、生意気な。
 あまり普段、彼に対して覚えないような、嗜虐的な気持ちが湧いてくる。シェリルがそれを根元からぎゅっと握ると、掌の彼自身は増々固さを増した。
「おもちゃみたいだもん。ぴくぴく動いてるし。なんでちょっと左に傾いてるの?」
「知らないよ」
 わざと彼の羞恥心を煽るように尋ねると、コヨーテは僅かに顔を赤らめて答えた。愛しさが溢れ、シェリルは握ったままの先端に口づけた。我慢できない。早く彼に快楽を与えてあげたい。
 伸ばした舌で、そこを優しく撫でる。再びコヨーテの溜め息が聞こえた。根元から先端まで、何度か舌で舐め上げた後、シェリルは彼自身を口に含んだ。生々しい匂いが鼻の奥をついたが、そのあまり愉快でない匂いは、彼女の情熱を煽った。体の芯が熱くなる。
「ああっ……」
 彼の喘ぎが耳を打った。
「気持ちいい?」
 先端を咥えたまま訊ねると、コヨーテは上擦った声をあげる。
「気持ちいいよ、シェリル……」
 シェリルは小さな満足と幸福を覚え、口をすぼめて彼のものを必死に飲み込んだ。頬の内側で彼自身を擦り上げるように、根元を手でしっかりと握ったまま、顎をゆっくりと動かす。すべて彼に教え込まれたことだった。
「ああ……あ……それ、気持ちいい」
 シェリルが時折、舌を彼の先端に沿って這わせると、コヨーテの艶かしい声が聞こえる。何度かそれを繰り返した後、シェリルは顎を規則的に動かし始めた。唾液が溢れ、彼自身を濡らしただけでは足りず、シェリルの口から滴り落ちて、彼の恥毛を濡らす。
「待って……シェリル……」
 あまり時間が経たない内、コヨーテの手がシェリルの頭にかけられた。シェリルは一度動きを止めて首を振る。
「いいの。このまま出して」
「ダメだよ。なんで……」
「だって、あなたケガしてるし」
「いいよ。大丈夫」
 コヨーテは半ば強引に彼女の頭を押して、彼の性器から離した。溢れた唾液が、シェリルの口から糸を引く。ぽたぽたと彼の脚の付け根に滴った。

 コヨーテの手はシェリルのベルトにかかり、あっという間にそれを外した。
「脱いで」
 囁かれた声は、熱っぽい。誘われるようにシェリルは彼にくちづけし、慌しく彼女の巡礼服を捲り上げようとする彼の動きを手伝った。
 頭から服がすっぽりと抜け、靴下を脱ぎ捨てると、彼女は下着だけになった。コヨーテもまた、半端にたくしあがった上着を脱ぎ捨てる。その動きを見守りながら、シェリルは彼をなんて素敵な人なのだろうと思った。
 ズボンと下着も脱ぎ、肩と腕の包帯を除いて全裸になった彼は、シェリルを再び、静かに押し倒した。紐を解かれ、下着が取り払われる。
 コヨーテはシェリルの脚を開かせ、そこに顔を近づけた。再び羞恥が彼女を襲ったが、シェリルは目をつぶってそれに耐え、何も言わなかった。
 彼の目の前では、彼女の秘所がむきだしにされている。何度も覗き込んだことはあるが、昼間の光の下で見るのは初めてだ。シェリルの体から溢れる愛液は、唇だけでなく、既に脚の付け根や腿まで濡らしている。それがつやつやと光って見えるのが、また淫らで刺激的だった。
 指先でそっと秘唇を押し開く。濃い薔薇色の襞の奥に、鮮やかな紅色の秘肉が見えた。その下部にある、シェリルの体の中心に通じる入り口は、白っぽい愛液を垂れ流していた。先ほどは閉じていたそこは、彼を待ち受けるように健気に口を開けている。
 思わず指でそっと触れる。熱く頼りない感触が伝わってきた。中指を押し込めると、シェリルが細く、深い声をあげた。
「は……ああああっ!」
 湿った音を立てて、指をゆっくり前後に動かす。彼女の腰が僅かに浮いた。
「あっ……あーっ……気持ちいい」
 頼りなく伸びたシェリルの手が、彼の髪を掴む。首を伸ばして、口づけを欲しがるシェリルに向かって屈み、彼は望むものを与えてやった。

 コヨーテは、指を彼女の体内に差し入れたまま、顔をシェリルの秘所に近づけた。彼の吐息が彼女の最も大切な部分を覆う。なぜか涙が出そうになった。
 裂け目の端で熱くなり始めた陰核に、今度は彼の舌が直接触れる。ざらついた舌は、陰毛の隙間を器用にかき分け、奥に隠れた小さな肉の突起を探り当てた。
 掬い上げるように舐められる。甘い痺れのような感覚が伝わってきた。
「はあっ……あ!」
 切ない声をあげると、それに応えるように、体の中に入ったままの指が、前後に動かされる。潤んだ膣の内壁を擦られ、また違う重い快楽が押し寄せた。シェリルの喉から、悲鳴のような声がほとばしった。
「どっちが気持ちいい?」
 声と共に吐き出された、コヨーテの息が熱い。
「どっちも!」
「もー、欲張り」
 僅かに脚を振って答えると、笑いを含んだ彼の声が聞こえる。
「だって……」
「すごいよ、ここ。べちょべちょに濡れちゃってるけど、中からまだどんどん溢れてくる」
「だって……あ!」
「下の穴もぱっくり開いてるし。おもしろーい」
「…………んっ」
 先ほどシェリルが、彼の性器を少しばかりからかったことへの、仕返しをされているのだと分かった。しかし膣で蠢く彼の指が与える快楽が邪魔をして、何も言い返すことができない。下腹が得体の知れない感覚に、小刻みに震えた。
 膣からコヨーテの指が引き抜かれる。彼は左手でシェリルの髪を撫でて囁いた。
「かわいいね、シェリル」
 再びわけのわからない、熱いものに胸が満たされ、彼女の潤んだ瞳から涙が零れた。シェリルの瞳を見つめながら、膣から抜かれた彼の指は、愛液をまとわりつかせたまま、陰核に触れる。舌で触れられた時より、痛みに似た強い刺激が伝わってくる。
 ゆっくりその突起を探っていた指先は、徐々に動きを早め、小刻みな動きを繰り返した。
「うわ……! 待って……」
 鋭い快楽が次々と襲ってくる。シェリルは再び目を閉じて、それをこらえた。
「やだよ」
 コヨーテの冷たく荒っぽい返事は、鼓膜から脳髄に届いて、さらに娘を興奮させた。彼の指先の動きは激しくなり、時々そこを押し潰そうとするように、力が込められる。
「あ……あーっ……! あう、あう、あう、あ……!」
 シェリルの喘ぎも、意味を成さない、動物じみた叫びに変質していく。陽光の残像が、彼女の瞼の奥で、激しく瞬いた。
「シェリル、こっち見て」
 優しい声が聞こえる。どうにか目を開けたシェリルは、声の主の顔をやっと認めた。彼が彼女を見下ろしている。悦楽に歪む顔を、ずっと見つめられている。川のせせらぎも、鳥のさえずりも、彼女の耳からは消し飛び、今彼女の世界の中には、彼しか存在していなかった。
 だがもう一度強く陰核を押し潰され、悲鳴と共にシェリルは再び目をつむった。そこはもうこれ以上ないほど、初めて感じるほどの熱さを帯び、内臓を焦がしてしまうのかと思われるほどだった。
「はああああっ! 待って……ねえ、待って。もうだめ……!」
 呂律が回らない舌で、シェリルはコヨーテに哀願した。尖った愉悦が、体の芯に突き刺さるようだった。激しい指の動きに合わせて、彼女の体も僅かに揺れている。これ以上、この快楽に耐えられないと彼女は思った。
「だめって何?」
 笑いを含んだ、冷めた声が訊ねた。
「わかんないけど、だめ……。ほんとにだめ……! 我慢できない」
 彼女が叫ぶたびに、口の中に溜まった唾液が僅かに散った。
「我慢しなくていいよ、シェリル」
 コヨーテは穏やかに言い、彼女の頭を撫でた。
「だめだよ……もうだめ……やだ……! ああっ!」
 叫びながらも、知らず知らずのうち、シェリルの腰は、さらなる快楽を求めるように、彼の指に向かって突き出される。
「大丈夫だよ」彼の声が歪む。娘の痴態を目にして、彼の腹も熱く高ぶった。「気持ちいい?」
「気持ちいい……!」
「そんなにいい? いいよ、いって。もっと気持ちよくなってよ」
 彼の優しげな囁きとは裏腹に、陰核を震わせる指先の動きは、増々力強く、荒くなる。シェリルの体に震えが走った。
「わっ……だって……あああああっ!」
「シェリル……いって」
 その穏やかな声は、彼女にとって、嘆願ではなく命令だった。
 初めて聞く、彼の言葉を聞いて、体がのけぞる。喉が開いて、限界まで空気を取り込もうと喘ぎ、彼の手を秘所に挟みこんだまま脚固く閉じて、シェリルは大きく体を震わせた。体の芯が痙攣し、腰が浮き上がるのを覚えた。眩しいほどの光に視界が満たされる。
「あん……あ……ああっ、ああっ、あう……!」
 断続的にびくびくと体を震わせながら、彼女は今まで到達したことのない、悦楽の極みの一端を貪る。
 彼は、何かも脱ぎ捨てて、ただ快楽だけを味わうシェリルを、満足そうに見下ろしていた。
 
 からだが弛緩して、息が荒くなる。のぼりつめるまで、どうやって呼吸していたかも分からなかった。
 コヨーテは今まで、何度もシェリルを快楽の絶頂まで導こうとしてくれた。そのたびに、シェリルはそこを垣間見ていたものの、到達することが何故かできなかった。
 たぶん、彼の一言だ。今悟った。
 コヨーテは指や舌で、彼女に快楽を与え続けてくれたが、のぼりつめるには、もう一押し、彼の甘美な命令が、彼女には必要だったのだ。
 彼がいないとだめだ。
 だるい意識の奥で、シェリルは哀しくそう思った。
「気持ちよかった?」
 満面の笑みで顔を覗き込んでくるコヨーテに、彼女は縋りついた。彼は優しくくちづけを返す。少しの間、舌を絡めあった後、シェリルは顔を離した。
 胸の奥が熱い。たとえ快楽の絶頂に辿り着いたとしても、彼女はまだ足りないと思っていた。この飢餓感を満たす方法は、ひとつしか知らない。

 ふたりは真昼の陽光の下で、互いに生まれたままの姿で向かい合っていた。何もかも曝け出して、暴き立てる、容赦の無い太陽の光が、ふたりを隙間なく照らし出している。
 娘は穏やかに彼女を見つめる男を見て、細くため息を吐いた。痩せ型に見える彼の腹や、上腕に薄くついた筋肉を美しいと思い、彼女を助けようとして負った、包帯が巻かれた傷跡を愛しく思った。そして優しげな顔に不似合いなほど、荒々しく立ち上がった、彼の一物に目をやり、胸が締めつけられるような切なさを覚えた。その感情、感覚を何と呼ぶのか、彼女は知らなかった。
 男は快楽に瞳を潤ませて彼を見つめる娘を見て、腹の奥が熱くなるのを覚えた。まだあどけなさが残る、優しげな顔。大きな濃い茶色の瞳は、彼の姿をはっきりと映している。黒いように見えた彼女の瞳は、実は濃い茶色なのだと、共に旅をするようになってから、彼は知った。柔らかく、豊満な乳房から引き締まった腰を経て、豊かな臀部へと続く曲線は、成熟した女らしさを匂わせている。大抵の男の、性的な関心を惹かずにはいられないような、極めて肉感的な体つきだ。肉体と同じく、彼女はとても敏感で淫らな娘だが、その精神は無垢に近い。彼女が知っている男は、この地上で彼だけだからだ。
 彼はシェリルに手を伸ばし、彼女はそれに従ってコヨーテに体を寄せた。互いに汗ばんだ体を、太陽がじりじりと照らし、乾いた緩やかな風が撫でていく。
 向かい合って座ったまま、コヨーテはシェリルの背中を持ち上げようとした。彼女はその意図を悟り、胡坐をかいた彼の、立ち上がった性器の上に、自分の秘所を押し当てる。彼の背中にしがみつき、そこに腰を落として、ゆっくりと彼を飲み込んだ。
「あっ……あっ……あっ……! コヨーテ」
 この期に及んで、彼の名前を知らないことに、小さな悲しみを覚えながらも、シェリルは甲高い声でからだをこじ開けられる快楽を啼いた。
「シェリル……」
 乱れた声で彼女の名を叫び、彼も自身を埋め込んだ彼女の体を強く抱えた。ふたりはひとつになった姿勢のまま、互いを抱き締めた。

 どのくらいそうしていただろう。ふたりは長く抱き締めあい、時折くちづけを交わしたり、見つめあったりして、互いの温かさや肌の感触、繋がった部分の彼自身、彼女自身を、ぴたりと重なって味わっていた。
 やがてコヨーテは、シェリルの背中をしっかりと抱え、繋がったまま、草地の上にふたりのからだを転がす。彼の重みを受け止めたシェリルの背中で、野草や小さな花が潰れ、草の匂いが漂った。
 コヨーテが腰を動かし始める。熱く、硬いものが、シェリルの体の中に突き入れられる。
「うわ……あああっ……!」
 体ごと揺さぶられ、目がくらむような快楽に、彼女は悲鳴をあげた。彼の動きは早くはないが、深く、シェリルは柔らかい秘唇に、彼の恥毛が触れるのをはっきりと感じた。
 彼と溶け合いたい。もっとひとつになりたい。このまま死んでもいい。彼と抱き合うたびに浮かんできたことが、頭の中を駆け巡る。
 外套も敷いていないので、背中が大地と草に擦れてやや痛んだが、そんなことはもはやどうでも良かった。今までコヨーテは、そうした部分には非常に気が利き、野外で交わる時も、必ず彼女の背の下に外套か毛布を敷いてくれていた。彼がそれを忘れるほど、今、シェリルとの睦みあいに溺れているのが、ただただ嬉しかった。
 涙が溢れ、霞む視界の中で、腰を振っている彼が、彼女を見下ろしているのが見える。
「シェリル」
 視線が絡むと、コヨーテは上体を折って、シェリルの頭を抱き締めた。彼の体臭に包まれ、眩暈がするほどの安堵に満たされる。

 しばらくそうして体を動かした後、コヨーテは不意に動きを緩めた。
「どうしたい?」
 熱に浮かされたような表情は緩み、彼はいたずらっぽく笑って、彼女を見た。
「どうって?」
 潤んだ瞳で、シェリルが幼女のように問い返すと、軽く彼女の唇にくちづけし、彼は答えた。
「このままでいい? それとも、君が上になる? 後ろからするのがいい? 久しぶりなんだから、君の好きなようでいいよ」
 シェリルはしばらく恥じらって、意味も無く脚を彼の腰に絡めたりしていたが、コヨーテは彼女が答えるまで、動く気はないようだった。
「どーするの? 早くしないと、僕も疲れちゃうよ」
「だって……」
「じゃー終わり」
「やだやだ! ……じゃ、後ろから」
 小声で囁くと、彼は含み笑いを漏らした。
「お尻からするの、好きだね。じゃあ、お尻こっちに向けて」
 コヨーテは一度彼女の体から、自身を引き抜いた。言いようのない切なさが溢れる。
 早くもう一度ひとつになりたい。その一心で、シェリルは恥じらいをこらえて、自らうつ伏せに四つん這いになり、彼に尻を向けた。
「やらしーね。自分からお尻向けるなんて」
 からかわれて顔に血が上る。
「だって、早く欲しいんだもん」
「正直だね。かわいいよ」
「でも、お尻に入れたらやだよ」
「……しないよ」
 振り向いて言うと、コヨーテはそう答えたが、心持ち残念そうではあった。元通り彼の手で前を向かされると、腰を両手でつかまれる。濡れそぼった秘部に、彼自身が触れたと思うと、それは再びしっかりと彼女の内部に埋め込まれた。
「うああああっ! あっ! あっ!」
「満足?」
 彼の言葉に答えることもできず、強烈な快楽の波の合間に、やっとの思いで何度も頷く。先ほどまでとは、全く違う部分に、彼が触れている。
 コヨーテはすぐに動き出した。突き入れられるたび、視界が明滅するような愉悦が送り込まれてくる。
「うあ……! ふああああ! きっ、気持ちいい……!」
 正気を手放した人間のような、だらしない声が喉から上がった。それは男だけでなく、彼女自身の意識までも熱くさせる。
 繰り返される、荒々しく強烈な腰の動きに、シェリルは嬌声をあげながら酔いしれた。肘から力が抜け、体を支えていられずに、頭が大地に落ちる。それでも彼女の体の最奥には、容赦なく尖った彼自身が突き当てられる。唇が震え、言葉にならない呻きが漏れた。
「うわあ……うわ……! あう、あう……あうう……!」
 これでは本当に、動物の交尾だと、彼も彼女も思った。そしてやはりふたりとも、本当に動物になれてしまえたらいいと考えた。

 突然彼の性器が体から抜かれる。
「やだ……抜かないで」
 涙声でシェリルが哀願する間に、荒い息を吐くコヨーテは、うつ伏せだった彼女の体を、再び仰向けにした。
「やっぱり顔見たい」
 囁く彼の顔に、もはや微笑みは無い。そのことが、シェリルの胸を熱くさせ、彼女の体の芯は、最後の炎を燃やし始めた。
 広げられた脚の間に、みたび、彼が打ち込まれる。シェリルもまた、再び悦楽を叫んだ。
「シェリル……シェリル……」
 切ない声で彼女の名前を呼び、力いっぱい抱き締める男に、シェリルも必死にしがみつく。あふれてきた想いはあまりに大きく、そして複雑で、とても言葉になどできない。
「コヨーテ……!」
 だから彼女もただ彼の名前だけを呼んだ。それは彼の名前ではないが、他に呼び方を知らなかったからだ。
 コヨーテの動きが速まる。彼が最後の動きを刻んでいることを、彼女もさとった。
「シェリル……出るよ……。持っていって」
「出して。全部ちょうだい」
 熱に浮かされたような言葉を吐きながら、ふたりは固く抱きしめあった。コヨーテが大きな息を吐き、シェリルの体の中に、さらに深く自身を突き入れる。命の宿らない、彼の体液が、彼女の体内で撒き散らされたのを、ふたりとも感じた。

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RE: 拍手お返事 >Kさん 

拍手、ありがとうございます!

倦怠期(?)の後、ケンカ→ケガとトラブル続いてたので、ほんとに久しぶりでした。
私も結構通勤途中に、堂々とR18話を読んでます(笑) 
でも後ろのオッサンに覗き込まれるとうざいですよねー。
今日もお仕事、頑張ってください~!
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