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山間の城の物語」
第二章 千の目

3.女に生まれてこなければよかった (2)

2010.10.07  *Edit 

 背中を大きな手が撫でた。子供を落ち着かせるような仕草だったが、掌の温かさを服越しに感じ、シェリルの鼓動は急速に速まる。
「シェリル、結婚はしているのか?」
 彼女の小さな背中をさすりながら、グレンが訊いた。先ほどの詰問するような無愛想な口調とは違い、どこか親しみをこめたような、くだけた声だった。
 シェリルは小声でいいえと呟き、首を振った。本来は司令官である彼と話すなら、顔を上げなければならないのだろうが、不覚にも先ほどの彼の言葉に涙が零れそうになり、それをこらえなければならなかったからだ。
「恋人はいるか? 出征している兵士たちの中にでも」
 彼女は再び首を振る。一瞬、愛する人間の影が胸の中に蘇ったが、すぐに消えた。強姦されたシェリルのために、義憤以外の理由で怒ってくれる人間はいない。
「そうか。それでは尚更つらいだろう」
 頭に添えられていた手が、不意に肩を抱えて引き上げられる。浮いた両脚にもう片方の手が触れたと思うと、小柄なシェリルは軽々とグレンに抱えられていた。
 このまま寝台に放り出されるのではと思ったが、一度シェリルを抱えて立ち上がった彼は、すぐに元通り椅子に腰を下ろした。その両膝の上に、すとんとシェリルが座らされる。
「でも安心するといい。兵隊どもには、君にはもちろん、他の婦人たちにも、二度と手出しはさせん」
 シェリルを膝の上に座らせたまま、グレンは彼女の顔を覗き込んだ。淡く微笑みを浮かべた彼の表情は、随分と優しげだった。
「ありがとうございます」却って警戒を呼び起こされながら、シェリルは固い声を作って言った。「お話はそれだけですか? でしたら、そろそろ失礼したいのですが……」
 グレンの膝から立ち上がろうとしたが、彼女の背中を支えた男の手がそうはさせなかった。静かだが力強く、シェリルの腰を抱き寄せる。
「まだ話は終わっていない。……酒は飲まなかったのか? 毒や薬など入っていない。一杯どうだ?」
「結構です。飲めない体質ですので」
 シェリルは無愛想に首を振ったが、グレンは構わずに酒壷から杯に片手で葡萄酒を注いだ。うっすらと漂っていた甘い香りが、部屋の中に濃密に満ちた。
 右手でシェリルを抱えたまま、彼は左手で杯を口に運んだ。一口飲み込んだグレンののどぼとけが動くのを間近で見て、彼女はそこから目を逸らした。
「甘いな。一口だけ飲まないか?」
 シェリルの目の前に、銀の杯が寄せられる。甘い果実の匂いが鼻をついた。酒を飲み慣れない彼女は、それだけで頭がぼうっとする気がする。
「いいえ」
「そうか」
 再び頑なに首を振る。グレンは簡単に諦めたようだ。杯を小さな卓に戻した。ことりと小さな音を立てて杯を置いた手は、そのままシェリルの頬に寄せられた。固い手が、時折耳をかすめながら、彼女の頬を撫でる。彼女はグレンから目を逸らし、木張りの床を見つめていたが、横顔に男の視線を痛いほど感じた。
「シェリル」
 低い声で名前を呼ばれ、無視するわけにもいかずに、彼女はグレンを見やった。乾いた視線をしっかりと受け止められる。
 司令官が何を話すのだろうと思っていたが、いつまで待っても彼は口を開こうとしなかった。その間、シェリルから一瞬も視線を離さない。
 見つめ合っている時間が不自然なほど長い。そう思った瞬間、一度落ち着き、冷めた鼓動を辿っていた心臓が、再び騒ぎ始める。
 静めようとしても静まらない。自分の体すら思い通りにならない。昔から彼女が感じていたことが、昨夜と同じように深くシェリルを打ちのめした。
 言葉もなく視線を交わす。黙ったまま、無心にその状態を続けることはできない。自分の視線で何かを伝える、相手の視線から何かを読み取るべく、語っている時以上に意識は活発に騒ぎ出す。シェリルは再び視線を落とした。
 頬をゆっくりと撫でていたグレンの手が、首へと僅かに滑る。彼の顔が近づき、額に柔らかい唇が触れた。
 髭が僅かに伸びたグレンの顎を目の前にしながら、次にどうするべきかシェリルが考えているうち、首に触れていた手が、背中まで伸びた彼女の髪を撫でた。
 髪から背中へと手が移る。グレンの顔も動き、こめかみに再びくちづけされた。
 目尻にもう一度、唇が触れる。
 居心地悪く身じろぎすると僅かにグレンの脚が動き、鈍感だといわれる臀部は、その筋肉の動きをしっかり捉えた。シェリルの僅かな尻の動きもまた、グレンが脚で感じ取っているだろうと思うと、ますます体が強張った。

 背中から脇腹、腰へとグレンの手が下へ滑っていく。
「すみません……」
 混乱しつつ、シェリルはやっと声を出した。穏やかにグレンの手から離れようとしたが、彼は再び右手に力を込めてシェリルの体を強く寄せた。それとは逆にシェリルの体を撫でる左手の動きは、非常に緩やかだった。
 頬にくちづけされる。横目で見たグレンは瞼を閉じていた。触れた唇からは、昨夜の兵士のような荒い息遣いは感じられなかった。まるで友愛の接吻のようである。
 グレンの手が腿へと動く。僅かにシェリルの体は震えた。
「司令官様、放してください」
 肘と手で男の体を押し退けようとしたが、びくともしない。逆にその声が聞こえなかったかのように、グレンはシェリルを自分の胸へと抱き寄せた。腿から離れた手が再び幼子を宥めるように、彼女の背中を何度も撫でる。
「大丈夫だ、安心しろ」
 小さな頭を抱え込んだままグレンは囁いた。
 何が大丈夫で、何が安心なのか。
 白々しい台詞だと思いつつ、強張っていた部分から、少しずつ力が抜けていく気がする。
 頭の上に音を立ててくちづけされる。しばらくそのまま、グレンは動かなかった。シェリルは何度か体を離そうと力を込めたが、やはり彼の腕は僅かも緩まない。彼の力は頑なではあったが、荒々しさを感じさせなかった。その穏やかさに対して、シェリルの方から大声を上げたり、手足を振り回して暴れるようなことはためらわれた。それにそんなことをしたところで、司令官の寝室に誰も助けになどこない。
 やがて頭の上から重みが消える。ほんの少し肩を引かれ、グレンの顔が動いた。あっという間に近づき、唇が重ねられる。 
 目を瞑ってシェリルにくちづけながら、グレンは相変わらず彼女の背中を静かに撫でていた。微かに唇が動く。鍛えた男の繊細な唇の柔らかさに、シェリルは一瞬だけ酔った。
 やはり最初から彼女を抱くつもりだったのだ。諦めに満ちてシェリルは考えた。
 重なった唇は時折微かに動いたが、舌が入ってくるようなことはなかった。
 昨夜の兵士のような劣情は伝わってこない。しかしそのくちづけに純然たる愛情が含まれてるとも、とても思えない。
 長く不思議なくちづけの後、グレンは再びシェリルを抱き締めた。

 シェリルの肩を抱く男の右腕に力がこもる。そう感じる間もなく、膝の裏にグレンの左手が差し入れられて、もう一度シェリルは抱き上げられた。
 小柄な彼女を何の苦もなく横抱きにしたグレンは、椅子から立ち上がった。物心ついてから、こんなに軽々と力強い腕に抱き上げられたのは、シェリルにとって初めてだった。彼はそのまま数歩歩き、すぐ側の寝台にシェリルを恭しく横たえた。厚い布をいくつも重ねた、城主の為の上等の寝台に体が僅かに沈み込む。
 何とか言わなければ。何かしなければ。
 頭の隅で焦りがある一方で、シェリルの意識はどこかぼんやりと霞み始めていた。
 それでも起き上がろうとしたシェリルを、長靴を手早く脱いだグレンの手が静かに押さえる。寝台に乗りあがった彼は、その隣に並んで横たわった。
 首の後ろに男の腕が差し込まれる。グレンはそのままシェリルの頭と肩を抱え、自分の方を向かせた。
 目が合う。陽に焼けた、甘さを含んだ野性的な顔が、目を細めて笑みを刻んだ。それが近づいて、額にくちづけされる。腕枕とは反対の手で、グレンは再びシェリルの肩や背中を穏やかな手つきで撫でた。
「大丈夫だよ、シェリル。もう心配しなくていい」
 何故。それはこうして抱かれて、あなたの愛人という扱いになるからですか。
 反射的に浮かんだ皮肉は、しかしグレンが続けた低い声にかき消されるようにして、言葉にはならなかった。
「犯人は君が望む通り処分する。今まで通り、君が安心して夜涼みに出かけられるようにしよう」
 囁いた後、グレンは額や髪の中、こめかみに何度もくちづけを落とした。
 仕草だけ。言葉だけだ。大切に扱われているような気がするのは、それらがもたらす錯覚だ。表面上の五感が与える錯覚がどれほどの力を持っているか知っていたシェリルは、必死に己に言い聞かせた。耳に聞こえる言葉、見つめられる眼差し、触れる手つきの優しさ、すべて偽ろうと思えばできることだ。
 それなのに、真実であるかのように心に響いてくる。それは偽りの言動に対して、本質と呼べる心のかたちだって、しっかりと定まっていないからだ。かたちの無いものは容易に流れて溶けて、違うものへと姿を変える。時には本質である心が、偽りの言動に引きずられることだってある。
 背中の手が腰へと滑る。体温が低めの腰に他人の手が触れると、体全体が安らぐように温まった。
「司令官様、すみません。私はまだ恐ろしいのです。今夜のところはお許しください」
 半ば諦めながら、それでもシェリルはグレンを刺激しすぎないよう、昨夜の暴行を盾にして、彼の憐れみに訴えた。
 その控えめで弱々しい言い回しは、グレンの同情を買うどころか彼の嗜虐心に小さな火をつけたが、シェリルはそれに気づかなかったし、グレンはそれを巧みに押し隠して囁いた。
「大丈夫だと言っただろう」
 返ってきた声音は低音に似合わず、ますます穏やかに響いた。
「昨夜のことは一度忘れろ。君は汚されてもいないし、辱められてもいない。胸を張っていていい」
 シェリルを抱き締めたままグレンは体を動かして、彼女を仰向けにさせた。  
 長身の体躯がシェリルに覆いかぶさる。顔にかかった彼女の長い黒髪を指先でそっとどけ、グレンは再び微笑んだ。その表情には、昨夜同じようにシェリルを組み敷いた兵士のような、ぎらついた欲望は欠片も見えない。
 恐ろしいというのは嘘だった。
 男に陵辱された後、再び違う男に覆いかぶさられているというのに、恐怖など意識のどこを探しても見当たらない。ただ穏やかな安堵と、サラに香油を塗られた時から体の裏側で静かに疼いている、淡い熱があった。
 それがとても悲しかった。 

 シェリルの髪を撫でながら、グレンは再び唇を重ねた。遠慮がちと言えるほど、淡くささやかなくちづけだった。
 彼はシェリルの体の脇についた右腕で自分の体を支え、その重みを彼女に預けることをしなかった。空いた左手で頭の先から横、そして髪の先へと、やや癖のある豊かな髪を撫で続ける。
 毛先をゆるく玩んでいた手が髪の中へと潜り、シェリルの首筋に触れた。思いがけず、ぞくりとした刺激が走り、彼女は一瞬眉を寄せて首を竦めた。だがグレンの指先は、無骨な形に似合わない繊細な動きで、シェリルの耳の後ろや首筋を撫で続ける。
 悪寒のような刺激から逃れるようにシェリルは僅かに首をひねったが、男の手が追いついてくる。
 やがてその手は慎ましい服の上から鎖骨をなぞり、二の腕を撫でた。腕を下へゆっくりとなぞられ、シェリルの小さな手が、がさついた皮の厚い掌に包まれる。
 淡いくちづけを繰り返していたグレンが、顔を上げる。視線が絡むと、彼はもう一度目を細めた。
 シェリルの手から離れたグレンの手は、彼女のやや張り出した腰に移る。腰の横を撫で、腿へと滑った。腿から膝へ。その手つきは、部屋に来る前にサラがそうしていたような、労わりを込めた丁寧なものだった。
 膝を軽く撫でた手は、再び太腿へと這い上がる。それが脚の付け根に近づくに従って、シェリルの体には緊張が走ったが、グレンは内腿や脚の間に触れることなく、そこから手を離した。
 再びくちづけされて、グレンの手が今度は頬を包む。剣を握る、乾いて大きな無骨な手。シェリルの小さな頭を握り潰すことなど、簡単にやってのけそうだ。恐るべきものに命を預けている錯覚を覚え、彼女の心はあえかな芳香を放つ恐怖に震えた。
 親指がシェリルの唇を静かに撫でる。
「シェリル」
 名前を呼ばれたが、それは返事を期待するような呼びかけではなく、ただ心の内にあるものを囁きにしただけのものだった。シェリルは直感的にそれを悟り、さらに心がかき乱されるのを感じた。
 顔を撫でていた手は再び首筋を滑り、シェリルの体をおののかせた後、襟元を留める服の紐に触れた。
 男は両手を使って、その紐を丁寧に解いた。
「グレン様、待ってください」
「大丈夫だ」
 相変わらず息も乱さないまま囁き、グレンはもう一度彼女にくちづけて作業を続けた。胸元を大きく開いて肩をむきだしにすると、質素な綿の服の袖を彼女の腕から片方ずつ抜いた。そのままシェリルの体を抱きかかえるようにして、背中と胴から服を滑らせ、片手で腰を抱えて服を完全に取り払う。
 袖の無い薄手の胴着だけになったシェリルは、右手で左の肘を抱え、体に渦巻く理解しがたい感情に困惑していた。
 自分も他の侍女や町娘のように、夫か恋人を持つべきだった。たとえシェリルが彼を愛せなくても、彼女を愛してくれる人を見つめ返して、片割れとするべきだった。そんな相手がいたなら、恋人を理由にしてこの場から逃げる、あるいは夢中で抵抗することもできただろう。
 けれどもう、嫌悪や屈辱などは感じなかった。
 操を立てるべき男性がいなければ、ちょっと優しい態度を見せた男にこんなに簡単に屈服してしまう。
 自分の性を悲しく思っているうちにも、グレンの手は胴着の紐を静かに解いていく。やはり劣情は感じられず、父親に着替えを手伝ってもらっているような、場違いな慈愛すら匂わせる仕草であった。
「グレン様……」 
 咎めるような響きを込めて、司令官の名前を呼ぶのが精一杯だった。喉元まで音もなく満ちてくる感覚の正体が分からない。
 胴着の胸元を押し開こうとしていたグレンはシェリルの声を聞くと、今度は何も答えずに、ただ頬を撫でてくちづけしただけだった。ごく微かに彼が見せた煩わしさは、裏返せば男の高ぶりの表れでもある。
 そう知った瞬間、自分の胸に満ちているのは、恐らく今グレンが感じているものと同じだろうと、シェリルは思った。 

 胴着の胸元を広げられると、素肌が外気に晒されて、僅かにシェリルの肌は粟立った。
 服と同じように、肩をむきだしにしようと、グレンは胴着を大きく左右に開く。娘の乳房が覗いた。慎み深い服の上からは想像もつかないような豊かな双丘に、グレンの目は一瞬釘付けになった。はやる気持ちを抑えて、先に胴着の上を彼女の肩から脱がせる。
 グレンの手が離れると、シェリルはすぐに胸を腕で覆ったが、彼はその腕を掴んで、彼女の警戒と恐怖を呼び起こさないよう、そっとどけた。
 瑞々しい白い乳房と、その中心にあるごく淡い褐色の乳輪、そこからさらに小さく突き出した薄い薔薇色の乳首が、蝋燭の明かりの中に浮かぶ。
 侍女に負傷させられてから、ほぼひと月、女を抱いていない。グレンはある種の感銘をもって、目の前の豊かな乳房を眺めた。シェリルが呼吸するたびに、胸の膨らみも僅かに上下する。
 胸元に落とされた男の視線が、徐々にはっきりと欲望を宿すのを見て、シェリルも唇を噛み締めた。無遠慮なほどに上半身を眺め回され、体の奥から恥じらいが湧いてくる。
 グレンはできるだけ穏やかに手を伸ばし、胸の膨らみを静かに押さえた。滑らかで吸い付くような素肌の手触りが掌を迎え、彼の手は恐ろしいほど心地良く乳房に沈みこむ。
 素晴らしい感触だ。土地柄なのか、今まで抱いた侍女は三人とも細身だったが、シェリルという侍女の乳房は、彼の掌に納まりきらないほど豊かだ。
 この極上の乳房を、司令官である自分より早く勝手に味わった兵士は、やはり極刑にするしかないと思った。
 一度握ると手を離すことができない。彼はそのまま膨らみをゆっくりと揉みしだいた。
 男の掌の下で乳房は頼りなく形を変える。厚い皮膚に時折乳首が擦られ、シェリルの体に震えるような刺激をもたらした。彼女はそれ以上自身の乳房が玩ばれているのを見ていられず、目を閉じた。
 眉を寄せた娘の表情に更に欲望を煽られ、グレンはシェリルに再びくちづけた。今度は我慢できずにこじ入れた舌が、噛み締めた彼女の歯にぶつかった。歯や歯茎を舌で撫でたが、娘は頑なに歯を食いしばったままだ。
「シェリル、いい子だから力を抜け」
 一度唇を離して耳元で囁いたが、シェリルは歯を食いしばったまま首を振った。
「どうして? 怖くない。昨夜のことなんか忘れろ」
「違います。怖いんじゃありません。嫌なんです」
 目を固く瞑ったまま答えた、若い侍女の高く細い声がグレンの耳に甘く響いた。血が集まり始めている下半身がさらに昂る。
 彼はシェリルの喉に顔を寄せ、首筋に舌を這わせた。彼女は一瞬息を詰め、僅かに首を反らせる。先ほども思ったが、この娘は首が弱いようだ。
「嫌がることはない。心配するな」
 シェリルの言葉に対して全く噛み合わない答えを囁きながら、彼は執拗に彼女の顎の下から耳の裏、首筋の肌を舐め続けた。目に見えてシェリルの体が強張ってくる。肉感的な小さな唇から漏れる息は、微かに弾んでいた。
 やはり女の心──と体──を開かせるのは、優しさである。気の荒い雑魚兵士は、この辺りで手を抜いたりするから、楽しいはずの行為も女に傷を残すだけになるのだ。馬鹿め。
 優しく乳房をまさぐっていた右手の親指で、その中心の蕾に触れる。指先で先端を円く撫でてやると、その下で乳首は愛らしく尖り始めた。
 胸と喉から襲ってくる確かな快楽を、シェリルは呼吸もこらえて押し潰そうとした。だが息を詰めれば詰めるほど、呼吸が乱れて頭がぼうっとしてくる。
 静かに吐き出した溜め息は、震えて深い響きを帯びた。それに応えるように、グレンが再び唇を重ね、舌を忍び込ませてきた。既に歯を食いしばる気力もない。
 舌が絡む。静かな部屋の中で、唾液の濡れた音を聞きながらシェリルは喘いだ。彼のくちづけではなく、自分の体の奥底から溢れてくる官能に息が詰まりそうだった。

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