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山間の城の物語」
第二章 千の目

4.有明 (1)

2010.10.17  *Edit 

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4.有明

 城主の寝室の外では、現在その部屋の主である大公国軍司令官の為、昼夜問わず二人の士官が歩哨に立っている。司令官が副伯夫人やその他の女官を寝室に招き入れた夜も例外ではない。
 就寝中に傷を負って以来、夜伽を控えていた司令官だが、今夜久しぶりに侍女の一人が呼び出された。
 頑丈な木製の扉越しに、甲高く悩ましい女の嬌声が聞こえてくる。聞いている者の本能に訴えかけずにはいられない、悲鳴のような響きだった。
 歩哨の際は直立不動。私語は禁止されていたが、女の深い声を聞いているうちに股間にぼんやり熱を覚えた男の一人は、相棒に目配せしながら肩を竦める。そうされたもう一人は、気まずそうに目を逸らした。


 胸の頂をねぶっていたグレンの舌がゆっくり動いていく。仰向けになったシェリルの体の下部へと滑った。
 濡れて軟らかく、僅かにざらついた、場合によってはおぞましくも思える感触は、彼女の白い肌を敏感に刺激した。体の内側で燃え広がろうとしている炎は、肌に触れるものすべてを甘く艶かしいものと錯覚させる。
「ううっ……あうっ」
 体の脇についた手で敷布を握り締め、シェリルは体を反らせた。
 彼女の肌を滑っていた舌は、鳩尾を通り、丸い臍の内側を一瞬探り、ふっくらとしながら引き締まった下腹を舐めると、濃密に茂る繊毛へ触れる。
 グレンはシェリルの脚を大きく割り開いた。
「まって……だめ……」
 快楽に緩んだ娘の声が聞こえたが、彼は構わず舌をさらに滑らせ、潤んだ秘唇の端に潜り込ませる。
「はああっ……」
 ぬるく甘い快楽が静かに流れてきて、シェリルは深い溜め息を漏らした。
 グレンは頬をくすぐる娘の恥毛をかき分け、そこを指先でさらに押し開く。赤黒い肉の襞の奥に、紅色の小さな蕾が見えた。それはやはりぬめりを帯びている。
 膨らみかけたそこに尖らせた舌先を押し当てた。
「はう……ああっ!」
 シェリルのふくよかな太ももが、叫びと共に跳ね上がった。
 まるでかぶり物をして、恥ずかしがっているように見えるその肉の蕾を、舌で掬いだすようにしながら、指先でその愛らしい皮をそっと引っ張る。剥き出しにされた陰核は彼の舌と唾液、そして彼女自身が漏らす粘液に包まれて、ますます固くなった。舌を動かすたび、そこは湿った卑猥な音を立てる。
「や……やだ、やだ……あう」
「いやじゃないだろ。こっちまでこんなに濡らして」
「うぅ……知りません。知らないっ……」
 シェリルの高い声は、もう芯が抜けてめろめろだ。何を言われて、どう答えているのか、半分自分でも分かっていないのだろう。

 彼女の秘唇は、熱を含んで熱く膨らんでいる。女陰の生々しい匂いが彼の鼻に入り込んできた。発酵したような、鼻腔の奥で粘つく香りは男を興奮させる。先ほどグレンが娘の体内に放った精液の匂いも、微かに混じっていた。
 グレンはシェリルの襞の最奥にある、薔薇色の秘肉を覗いた。白く濁った愛液で潤んだ彼女の体の中への入り口は、既に喘ぐように小さく口を開いている。そこから愛液とは別の、もっと色の濃い液体が漏れ出している。
 もう一度行為に及ぶ前にそこも軽く拭ってやったはずが、脚を大きく広げ、全身を愛撫されて快楽に体を蠢かせているうちに、一度注ぎ込んだものが僅かにあふれ出してきたのだろう。
 自分が放ったものであっても舌で触れるのは抵抗があった。先ほど射精する前にシェリルの膣を舌で愛撫してやればよかったと、小さな後悔を覚えながらグレンはそこに指を伸ばした。膣は舐めてやれないが、代わりにもう一度、愛らしくむき出された陰核に舌を伸ばす。
 再び肉の芽を舌で震わせながら中指を彼女の中に差し入れた。熱い、とろとろとした液体に包まれた柔らかい肉がグレンの指を包みこむ。
「ああーっ! ああっ、あっ!」
 ひときわ甲高い女の嬌声が響いた。シェリルの腰が僅かに浮く。彼の指を締めつけ、陰核を彼の舌へと押し付けるかのような、淫靡な動きだった。
 情交に至る前までのシェリルの声は、しっかりした喋り方ながら高くて細い声音だった。淑やかな娘の喉から飛び出す獣のような深く切ない響きは、グレンの下腹をさらに熱くさせる。
 肉芽を舌先で舐めながら、指をもう一本彼女の秘所に差し入れ、内部で蠢かせる。折り曲げた指先で膣の前壁を探ると、ざらざらとして僅かに脈打つような場所を見つけた。シェリルの脚に力が入り、膝が浮くのが目の端に見えた。
「んあっ、あっ……」
「ここ、気持ちいいか?」
「あっ、あっ、あ……き、きもちいい……だめ……」
 目を瞑ったシェリルは既にグレンの顔など見ていない。首を振り、敷布を握った拳で何度も寝台を叩いている。体を這い回る快楽をどうしようもできずにいるのだろう。
 お許し下しくださいなどとか細い声で訴えてきた、以前に抱いた侍女たちもあれはあれで慎ましくて可憐だったが、シェリルぐらい素直に愉悦を叫んでしまうのも可愛いとグレンは思った。要は無反応でなければ何でもいいのだった。
「はああっ、あっ、ああっ! やああっ」
 陰核を舌で、体の芯を指で愛撫され、体中を暴れ回る強烈な快楽をシェリルは制御できなかった。男の前ではしたなく開いた脚は爪先立ちになって小刻みに震え、嬌声を漏らす喉は何度も大きく仰け反る。
 体の中に入り膣の敏感な場所を刺激していたグレンの指は、やがて彼女の中を前後に動き始めた。愛液が淫らな水音を立てる。
「スゲー音。べちょべちょだぞ。こんなにしちゃって、どーすんの、お前」
「ちがう。ちがいます。ちがっ……うああああっ!」
 グレンの低い声で辱められると目の奥までが何故か熱くなる。体のすべて、脳のすべてが、同じ方向へと走り出している。つい先ほどまで彼女を悩ませていた頭と体が相反する余計な葛藤は、既にどこか彼方へと吹き飛んでいた。

 男の指が体内から抜けていく。
 快楽を叫んで力み、息を切らせているシェリルの唇に、その指が押し込まれた。驚くより早く、彼女はその長い指を舐める。苦く酸っぱい味がした。
 グレンはシェリルの肩を支え、ほとんど力の入らない小柄な体を抱えて、寝台から床へと下ろした。彼自身は寝台の端に腰掛ける。
 腕と肩を穏やかに引かれ、男の開いた膝の間に導かれて、膝をついたシェリルは彼が望むことを知った。彼女の目の前には大きく膨らみ、立ち上がりかけた陰茎がある。
 心臓が苦しいほど動き出した。愛してもいない男の性器を唇に含むなんて、許されない気がする。その醜悪な形は、シェリルに確かな嫌悪を呼び起こした。
 だが次の瞬間、嫌悪は背徳感と倒錯へとねじれ、新たな興奮を娘の鳩尾に植えつけた。
「シェリル、男の喜ばせ方は知ってるか?」
 彼女の頭に手を添えながら、グレンが尋ねてくる。答える代わりに顔を近づけ、思い切って舌を伸ばして立ち上がったものに触れた。皮から顔を出しかけている先端を舐め回すと、それはさらに熱くなって硬くなる。
 グレンはシェリルがさほどの抵抗もなく彼の一物に触れたことに、喜びと落胆を感じた。今まで抱いた侍女に同じことをさせようとしたが、彼女たちはいずれも涙を浮かべて拒絶した。夫でもない人間にそんな背徳的な行為はできない、どうか許して欲しいと告げた。
 もっと若い頃の彼であれば、嫌がる女の姿に却って興奮して、無理にでも男性器を彼女たちの口にねじ込んでいただろうが、さすがに分別のついた──と本人は思っている──今では、無理強いに泣き喚く女を見ていても、あまり愉快ではない。以前に抱いた侍女たちの場合は渋々諦めた。嫌がりながらもグレンの一物を口で愛撫したのは、レジーナだけだ。
 床に傅くように座ったシェリルが、膝を寄せてグレンに僅かに体を近づける。
 寝台に腰掛けたグレンの膝に、彼女は手を触れさせた。固い筋肉のついた腿に触れた後、今シェリルが唇を触れさせている器官の根元を恐る恐る握る。まだ軟らかさの残っていたそれは、彼女の手の中で硬さを増していく。
 嫌悪も罪悪も急速に薄れた。体の中に溜まっている熱と、それをさらに高めたいという欲望以外すべてが削ぎ落とされていく。

 熱い肉茎の先端を唇で包む。先端から漏れ出した液体がシェリルの舌に絡んだ。微かに甘い。
 頭上から男の小さな吐息が聞こえ、それはシェリルにある種の充足感を与えた。 
 シェリルの口が彼自身を少しずつ飲み込む。硬さと大きさを増すその根元を、娘の小さな手が擦り上げ始めた。
 グレンは声を飲み込み、シェリルの頭を押さえながら低い溜め息を吐いた。先ほど娘の体内で味わったのとはまた違う快感が断続的に突き上げてくる。昂った男根に口内の軟らかい粘膜がまとわりついた。最も敏感な先端は時折彼女の喉の奥をつき、そこに舌が絡められる。
 グレンも目を閉じ、可憐で淫らな娘が与える甘美な刺激に酔った。女に膝をつかせ、自分は座ったままで奉仕させている、その征服感が満ち溢れる。彼はシェリルが彼自身を愛撫しながら時折目線を上げ、抑えた溜め息を吐く男の反応を潤んだ目で観察していることに気づかなかった。
 シェリルの舌は、グレンが特に刺激を覚える部分を優しく撫でる。柔らかい小さな手は、根元を程よく強く握り締めていた。異物を咥えている小さな唇から時々呻きや溜め息が漏れ、唾液が滴る。すべてグレンを熱くさせた。
「シェリル……すごい、いい」
 娘は切なそうな声で何か答えたが、口の中に彼自身を含んだままだったので、言葉にはならなかった。 
 あどけない容姿ながら、未婚のまま多くの男たちと遊んできたのだろうか。とても素人の技巧とは思えない。比べては悪いが、稚拙だったレジーナの口の動きとは段違いだ。グレンは規則的に動き始めたシェリルの頭を撫で、悦楽に溺れながらうっすらと思った。
 娼婦だったのか。冗談混じりにそう言って辱めてやりたかったが、口にのせる直前にシェリルが兵士に陵辱されたばかりだったことを思い出した。もし彼女がかつて娼婦などではなかったら、心底傷つけてしまうだろう。
 シェリルが快楽に弱い娘なのは間違いない。だがだからといって、世界中のすべての男との情交を受け入れられることにはならないはずだ。
 思い出して語ることもつらそうだった昨夜の一兵士との行為を、恐らく彼女は受け入れていない。しかし今夜こうして、グレンとの行為を喜んで受け入れている。それは彼に大きな優越感と自信を与えた。

「もういい」
 最も強烈な感覚が溢れる前に、グレンはシェリルの頭を挟んで、そこから離した。
 半ば陶酔した彼女の顔は、瞳も口元も力が抜け切っている。彼はシェリルの両腕の下に手を回して、小柄な彼女の体を持ち上げた。
 勘の良い娘は、彼の意図を悟ったらしい。グレンに支えられたまま、脚をもぞもぞと動かして寝台に乗せ、両腕を男の首に回す。
 寝台に腰掛けたままシェリルの背中を支え、股間から屹立したものの上に、彼女の尻をゆっくり落とす。娘は自ら脚を開き、腰をくねらせて、グレンの陰茎を自身の秘部で探り当てようとしている。恥じらいも慎みも忘れた、快楽を貪るだけの可愛い動物だった。
 男の器官の先端がシェリルの秘芯の入り口を嬲った。
 シェリルが膝の力を緩めると、体の重みが自然と彼を飲み込んでいく。秘所が押し広げられ、巨大な杭が体を貫いていく。
「ああっ……! あっあっあぅ……! あうう……」
 濡れそぼったそこは、簡単に男を受け入れた。体の芯から目が眩むような愉悦が襲ってくる。彼女はしがみついた男の肌に爪を立てるほど力み、溢れる官能を訴えた。
 貫かれ、上体や脚を僅かに震わせているシェリルをいっとき満足そうに見下ろしたグレンは、彼女の背中を腿を支え直すと、座ったまま腰を突き上げ始めた。
「うっ、ううあっ! ああああっ! はぁ、やああっ」
 男の膝の上で豊満な体を弾ませながら、彼女は甲高く叫んだ。形のいい乳房と長い黒髪が、動きに合わせて跳ね上がる。我知らずグレンの首にしっかりとしがみついていた。
 室内は喘ぎと熱に満ち、二人とも汗に濡れていた。上下に揺さぶられ続け、シェリルは頭の中まで強烈にかき回される。
「やあああっ、はあああっ……こ、壊れちゃう……!」
「これぐらいで壊れねーよ」
 理性を彼方へ飛ばしたシェリルの唇から涎が滴った。もう彼が与える快楽の虜になっているようだ。
 もっと娘を責め立ててやりたい。
 腹の奥から瞬間的に激しい嗜虐心が沸き、グレンはシェリルの体を抱えたまま立ち上がった。小柄とはいえ、ずしりとした重みを腰と膝に感じる。
「やっ、まって、グレン様! 落ちちゃう、こわい!」
 直立した男の上半身にしがみつき、股間から生えた器官で貫かれて支えられていることに、シェリルは本能的な恐怖を覚えた。グレンの支えに縋るしかない。彼がすべてだ。彼女の意識は手がつけられないほどに混乱した。混沌と沸騰するその中で確かな形を保っているのは、鋭い快楽だけだった。やがてそれがすべてを覆い隠していく。 
「落ちないよ。大丈夫だ。つかまってろ」
「やだ、やだあああああ!」
 必死に首を背中にしがみつき、恐怖と快楽に苛まれて絶叫する娘を、彼は何度も立ったまま揺さぶった。両腕でシェリルの尻と背中を支えているとはいえ、男根にも強烈な重みがかかる。そのたびにグレンは僅かに歯を食いしばり、シェリルは揺れ動いてぶれる悲鳴を吐き出した。
「はああああっ、ああーっ! あう、あう、あう……!」
 体が突き上げられて落ちるたび、そのまま落下するような恐怖が、シェリルの全身を駆け巡る。それすら甘美だった。早くこの不安から解放して欲しい。でも、頑丈な両腕に支えられた奇妙な快楽をずっと味わっていたい。
 グレンは、涎を垂らし続けながら悦楽にもがく娘を絶頂まで突き上げてやりたかったが、貪欲な侍女はなかなか限界に到達しなかった。
 やがて膝や腰が震えてくる。悔しいが体力の限界のようだ。
 グレンは仕方なく、シェリルの体を寝台の脇にある丸い卓に押し倒した。小さな卓はがたりと音を立ててぐらつき、葡萄酒が満ちた酒壷が衝撃で倒れた。卓と床に赤紫の甘い液体がこぼれて広がる。卓の上に転がったシェリルの長い髪が、あふれ出た葡萄酒を吸った。
 構わずグレンはそのまま彼女の中に突き進んだ。 
 シェリルの両脚の間に、熱いかたまりが今までに無い激しさで突き刺さってくる。体中が燃え上がっているようだった。
 小さな卓はシェリルの上半身を乗せきれず、肩から下がだらりと下がる。目を開けると、反転した薄暗い視界がシェリルの前に開ける。グレンが腰をぶつけるたびに、卓ががたがたと耳障りな音を立て、彼女の視界もぶれた。目を開けているのに、何を見ているのか分からなかった。
 五感すべて、触覚すら喪失し、シェリルはただただ、体の中心を貫く愉悦だけを味わった。からだ全体が性器になってしまったような、あの感覚をもう一度覚えた。
「シェリル……!」 
 痛いほどに力強く腰を抱かれ、やっと彼女は自分の名前を呼ぶ男の声を聞き取った。それまでの数瞬、己が何者であるかも忘却していた。
「グレン様、グレン様……」
 白痴のように繰り返し男の名を呼びながら、シェリルは絶頂を迎えたグレンの体を抱き締める。彼女の意識もその一瞬、白い虚無へと吸い込まれた。


 グレンが息をついて、娘の体から分身を引き抜くと、白い精液が彼女の膣から溢れた。白木の卓に葡萄酒と共に染みていき、奇妙な模様を作る。
 折角執事に頼んで作ってもらった新しい卓だが、今後少々使いづらいと彼は思った。
 ぐったりと力を抜き、いまだ恍惚としているシェリルは、まだ小さな卓に腰を乗せたままだった。
 寝台に放り出してあった布で、垂れ下がり始めた性器を拭う。その間、いつも射精した直後に覚える、情交の虚しさと相手の女への微かな嫌悪を落ち着けた。
「シェリル、そこで寝るな」
 いまだぼんやりと卓の上に転がっている侍女に近づき、腕を引いて彼女を起こしてやると、グレンは娘の脚の間を軽く拭ってやった。大抵の女は恥らって、途中から自分でするものだが、シェリルはされるがままになっている。
 そんなに彼との交わりが良かったのだろうか。グレンは都合のいい方に解釈した。
「ほら、降りて。こっち来い」
 グレンに背中を押されて、シェリルはやっと足を床に下ろす。膝から力が抜けて体が崩れた。
「大丈夫かよ」
「すみません……」
 足腰立たないくらい夢中になっていたのかと思うと、シェリルは自分で恥ずかしかった。にやつきながらシェリルを支えるグレンの顔が見られない。
 寝台に転がされながら、彼女はいまだ官能と情熱から冷めていなかった。夢の中をさまよっているような気がする。
「お前、独身だって言ってたけど、寡婦なのか?」
 シェリルの隣に横たわりながら、グレンが口を開いた。
 用は済んだはずだが、すぐにシェリルを部屋から追い出すほど冷淡な男ではないようだ。
「いいえ、未婚です」
「へー。じゃあ随分、恋多き人生を歩んできたんだろうなあ。何人ぐらいとやったんだ? 正直に言いなさい」
 冗談めかした口調の裏に、シェリルは微かに独占欲に近い好奇心を聞き取った気がした。それが嬉しいのか煩わしいのか、分からなかった。
「ひとりです」
 答えたあと、彼女は僅かに苦い苦笑をまじえて言い直した。「……いえ、一人でした。昨夜まで」
 シェリルの自嘲めいた響きを聞き、グレンは面倒だと思いながらも、手を伸ばして娘の頭を軽く撫でた。彼女は無表情のまま、それを受けている。
「……さっき言ったけど、昨夜の兵士は俺も放っておくつもりはない。どう始末するか、早めに教えてくれ。お前が決められないなら、こっちで適当に処分する」
「私が手を下してもいいと、おっしゃいましたよね?」
 シェリルは顔を上げた。蝋燭の光に、瞳孔の色と混じった黒い瞳が揺らめく。
「ああ。それでもいい。そうするか?」
「……やっぱり考えさせてください」
 哀れな娘は僅かに微笑みを浮かべたように見えた。しかしその瞳はすぐに閉ざされてしまったので、グレンは彼女の感情を読むことはできなかった。
 シェリルはやがてすぐに小さな寝息を立て始めた。グレンの腕の中で心もち体を丸めて眠るその姿は、愛らしいほどであったのに、一瞬だけ、彼は娘に得体の知れない恐怖に似た感情を覚え、彼女と寝たことを後悔した。
 新妻を抱いた夜、若く美しい妻の手によって寝所で殺された哀れな中年貴族の伝説を思い出した。妻は彼女よりさらに若い愛人と通じていたのだ。
 その女の名前は思い出せなかった。

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Re: シークレットコメントくださったaさん 

コメント、ありがとうございます!

はじめまして。
『魔女とコヨーテ』のほうも読んでいただいてありがとうございます。

こんなところで繋がっていました…^^;
色々諦めてしまって、少し老成した感がありますねえ、シェリル…。
の割には、相変わらずのとこもありますけど…。

このお話で、大公以外に唯一好き勝手なことやっているグレンですが、天誅が下るのはいつでしょうね(笑)

『魔女とコヨーテ』とは世界も同じ、時間も繋がっていますが、お話のテーマが異なるので、また雰囲気が違うと思います。
(違わなかったら…どうしよう><)
ご期待に添えるかどうか分かりませんが、引き続きお時間がある時におつきあいいただければ幸いです。

本当に寒くなってきましたね~。
果物がおいしい季節なので、もりもり食べて乗り切りたいと思います。
aさんも体調にはどうぞお気をつけくださいませ~。

ありがとうございました!
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