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山間の城の物語」
第二章 千の目

15.星の道 (4)

2011.03.23  *Edit 

 ロデリックの溜め息が、シェリルの髪を微かにそよがせた。彼女はそれで初めて、自分が俯いていること、そして彼に思ったより近づいていることに気づいた。顔を上げ、さりげなく半歩下がる。 
 もう一度視線が絡むと、彼は微笑んだ。体ごとシェリルを向いていたロデリックは、再び背中を城壁に預ける。
「たとえ話なんだけどね」彼の澄んだ声は大きくはないが、よく響いた。「君が、すごく重要で静粛な儀式に出てるとするでしょ」    
 まったく繋がりがない話のように聞こえるが、シェリルは黙って聞いていた。
「そこで、君の隣にいた侍女が、君の脇の下こちょばして、君がゲラゲラ笑っちゃって、儀式が台無しになったとしたら……。君の女主人は笑っちゃった君と、大事な儀式だって知ってて君をくすぐった侍女と、どっちを叱ると思う?」
「そりゃ、くすぐった方だよ」
 レジーナをそれほど融通の利かない、頭の固い主人だと言いたいのだろうか。憮然としながらシェリルは答えた。
 ロデリックは城壁に肘をつき、再びシェリルに体を向けた。星明りの下で、彼が瞳を細めて微笑むのが見える。
「でしょ? 同じことだと思うんだよね」
「なにが?」
 シェリルが聞き返すと、彼は瞬きをはさんで答えた。
「くすぐったいのも、気持ちいいのも、頭でどうにもできないって点じゃ同じだよ。頭ではこんなヤツと思っても、体は勝手に気持ちよくなっちゃったりするのは、しょーがないんじゃない。僕ら男だってよくあるよ。女の人だって同じでしょ。
 女の人が気持ちよくなっちゃったら、強姦が成り立たないってことはないよ。望んでないことには変わりないんだから。だから別に、兵士にヤられて君が気持ちよくなったとしても、君はそいつに怒っていいんだよ。周りにも恥じることない。君は全然悪くないと思うよ。男に触られるのが嬉しいか、屈辱かってのは、君の体じゃなくて、君の意志が決めることだ」
 凝り固まっていた不愉快な塊が、するすると解きほぐされていく。天啓のようだった。
 もしかすると、頭のどこかで既に分かっていたのかもしれない。でも自分の内側からいくら叫んでも、聞き入れることができなかった。他人に告げられなければ、決して納得できないことだった。
 グレンも同じことを言ったことがあるが、彼は理由までは語らなかった。物事の表裏と真実を、もはや本能的に探ろうとしてしまうシェリルには、所以ない言葉はどんなに深く心に沁みても、納得することはできなかった。

「それじゃ、あなたやグレン様に抱かれたことも、あたしが強姦だって思えば、そういうことなの?」
 とても清々しい気持ちだったのに、シェリルはそれを表には出さず、皮肉っぽく言った。
「そうだねえ」ロデリックの笑みにも皮肉が混じる。「思ったところで、相手をどうにかできるかってのは、別のお話だけどね」
 泣きたいような気持ちで、彼女は苦く笑った。
 心は軽かった。他人を憎むより、自分を疎んで憎むのはずっと重く、苦しい。重石が取れたようだった。
 笑顔を見せすぎないよう、唇を噛んだまま、シェリルは瞳だけでロデリックに笑いかけた。彼も唇の端を吊り上げる。
 静かに持ち上がった彼の右手は、所在なげにゆっくりと落ちた。
 かつて、何度もシェリルの髪を撫で、肩を抱いてくれたその腕は、もう彼女だけのものではない。彼女の心が、彼のものだけでないように。
 言葉もなく、少しの間見つめあったあと、ロデリックは城壁から体を離して姿勢を正し、外套を羽織り直した。
「冷えてきたね。──先に戻ってるよ」
 シェリルが頷くのを見ることもなく、彼は踵を返した。
 追うことはもちろん、声をかけることもなく、シェリルはただその後姿を目で追った。


 十八歳の頃、ロデリックは一人の少女に出会った。
 当時の彼は、犯罪まがいの荒事を含めた、あらゆる仕事を引き受けて金を稼ぐ便利屋だった。自由で厳しい生活だった。
 彼が出会った少女は、同じような何でも屋ではあったが、傭兵に近い、冒険者と呼ばれる人種だった。彼女は決して強くはなかったが、友人たちと手を取り合い、世の荒波を乗り越えているように見えた。
 ふとしたことがきっかけで、彼女はロデリックに関心を寄せるようになった。彼も抱くと素直に喜ぶ彼女を次第に愛しく思っていった。
 だが結局、彼は重たくなった彼女の手を離した。東から、この辺境に渡ってきた時の話だ。彼女が強くないことは知っていたが、当時の彼も、彼女を支えられるほど頑丈ではなかった。
 彼女と離れた後は、とても心が軽かった。今まで彼女の重みを支えていた部分が楽になったのだ。当然のことだった。
 だがまるで、その部分を彼女に持ち去られてしまったようだった。空洞だけがそこに残った。

 こんなところでシェリルに再会するとは思わなかった。
 入城した夜の宴会で、グレンの後ろに控えていたロデリックは、大きな酒壷を持って、広間を危なげな足取りでうろつく侍女をとらえた。ひと目見て、シェリルだと分かった。別れた頃とほとんど変わっていない。相変わらず、十代の娘のようだった。
 無論、昔の知り合いだなどと名乗るつもりは一切なかったのだ。半分は戯れで入った大公の軍とはいえ、今のところはグレン──ひいては大公の目的に協力するつもりである。そのためには、シェリルに話した通り、ロデリックが暗殺者まがいの与太者だったなどと知られては都合が悪い。
 それに名乗ったところで、どうにもならない。彼女とのことは、もう終わったことだ。彼女の気持ちなどお構いなしに、彼が一方的にけりをつけた。

 だが、シェリルが軍の兵士に陵辱されたと、侍女頭に詰め寄られた時には、彼女が心配でならなかった。何をしてやることもできないが、そばにいてやりたい気がした。
 勝手で傲慢な思い込みだ。ロデリックがそばにいることで、彼女が慰められたのは、遠い昔の話だ。その手を振り払った男に、今さら善人面で近寄ってこられても、シェリルの神経を逆撫でするだけだろう。
 グレンにシェリルが初めて呼び出された夜、当直だった士官の一人に見張りを代わってもらった時も、自分の心境は自分でも漠然としか分からなかった。
 ただ彼は、口では事情を聞くだのと、もっともらしいことを言っていたグレンが、恐らくシェリルを抱こうとすることは予測していた。そして兵士に襲われてから日も経たないシェリルが、それを歓迎はしないだろうと思っていた。
 寝室からシェリルの悲鳴やすすり泣きが聞こえたなら。はっきりとした意志はなかったものの、やはり漠然と、自分がどうするかは他人事のように予想していた。もう一人の見張りを始末して、寝室に入り込み、シェリルを連れ出す。グレンがそれを止めようとするなら、彼も始末するまでだ。大公の野望など、ロデリックにとって娯楽より尊いものではありえない。
 だが案に反して、寝室から聞こえてきたのは、シェリルの甲高い嬌声だった。もう一人の見張りが、彼女の声を聞いて好色そうに目配せをしてくるのを見て、何の関係もない彼を殴りたくなった。
 彼女とはもう道を違えている。ひとりで歩いているシェリルに、彼がしてやれることはない。
 思い知らされた気がした。

 それでも再びシェリルがグレンに呼び出された昨夜、もう一度彼女の様子を見たいと思った。グレンに仕える生真面目な副官としてでいい。彼女の心境を聞きたかった。
 彼はサラを伴わずにシェリルの部屋へと赴いた。もしもシェリルが、グレンと寝ることを泣いて嫌がり、彼に助けを求めたなら。その先は正直なところ、やはりあまり考えていなかった。
 そして調子に乗って話をしながら、もしかして、生真面目な副官として、まったく別の人間として、自分の過去は伏せたまま、シェリルと新しい関係を築くこともできるのかもしれないと思った。
 しかし結局、シェリルのふくよかで瑞々しい肉体に触れるうち、欲望に負けてしまった。ロデリックはできるだけ丁寧に、脚や背中をほぐしているつもりだったが、香油を塗られて、ライラックの香りを放つシェリルの輝く肌は、何度も彼の手を意識するようにぴくぴくと震えた。彼女が快感を覚えているのは確実だった。うつ伏せにさせた娘の背中を撫でながら、ロデリックの息も少しずつ乱れ、股間が徐々に強張ってくるのが分かった。
 相変わらず、可愛くて淫乱な娘。だからこの前もグレンに抱かれて、はしたない声で喜んでいたのか。
 グレンと寝た夜はどうだった。
 不意を突くつもりで、股間を熱くさせながら上擦った声で彼が尋ねた時、動揺するかと思った彼女は、非常に平然と「ええ、とても……。あの方も、お上手ですね」などと答えていた。
 よくも、俺の前でぬけぬけと。グレンに仕えている副官だからといって、そんなにあけすけに話していいと思っているのか。本当は誰に向かって言ってると思っているんだ。
 ロデリックには非常に珍しいことだが、頭にかっと血が上った。 

 今思えば早とちりによる失敗だったのだ。大失敗だった。
 シェリルが平然と答えていたのは、サラのマッサージの話だったとは。
(アホか)
 自分で自分を罵倒したが、過ぎたことは戻らない。
 ロデリックという完全な別人として、シェリルに認識させるという試みは、ゆうべ一晩の出来事で水泡に帰してしまった。
 だが一方で、随分と気分が軽くなった。ゆうべ彼女を抱けたのも、彼女の気持ちさえ考えなければ、楽しいひとときだった。シェリルは昔と変わらず、愛らしく、淫らで、かわいい。ロデリックによる愛撫で彼女が息を乱し、肌を薔薇色に染めて喘ぎ、快楽を貪る姿はとても愛しかった。 
 城壁から道へと降りる急な階段を下りながら、彼の胸は疼くように微かに痛んだ。
 残酷なことをしたかもしれないと思った。抱いた後に後悔した。
 シェリルは、以前にひととき手を取り合っていた男だと知って、ロデリックを頼るようになるかもしれない。だが、彼は応えてやることができない。期待されるのが怖かった。かつても憎くて彼女の手を離したわけではないのだ。彼女を傷つけたくはなかった。
 それにもかかわらず、今夜、城を抜けて町の城壁へと上るシェリルを見かけた時、ロデリックはそっと後を追った。シェリルと、昔の知り合いとして話をすることで、彼女が彼に何を望んでいるのか確かめたかったのだ。
 杞憂だった。
 シェリルはあんなに小さくて弱々しいのに、傷つきながらも既にひとりで歩いている。彼の助けなど必要としてない。
 彼女に縋っていたのは、もしかしたら自分の方だったかもしれない。応える気などないくせに、シェリルに期待されて、必要とされたがっていた。
 ここひと月ほどの、心の中で形をなさなかった靄の正体が、今夜やっと見えた気がした。時に、自分で自分が何を考えているのか分からなかったりする。
 シェリルとの間にあったことは、終わったものと思っていた。だが人間関係に終わりというものは無いのかもしれない。かつてあった絆は、なかったことにはならない。ただ、かたちを変えるだけだ。恋が信頼に変わることもあれば、愛が憎しみに変貌することもあるだろう。その形態は無数だ。
 階段を降り切ったロデリックは、足を止めてもう一度空を見上げる。城壁から下りただけだというのに、夜空がひどく遠くなったように見える。
 月の無い夜だった。なにものにも遮られない、無数の瞳が彼を見下ろしていた。


 ロデリックが去った後、シェリルはしばらく彼の姿が消えた方向を眺め、やがて首を上げてもう一度空を見た。
『サラとのことも、俺が知らないとでも思ったのか』
 ゆうべ、グレンはロデリックに向かってそう言った。
 ロデリックが、あの魅力的なサラと、どういう関係かは分からない。内密に将来を誓った恋人同士なのか、あるいはかつてのシェリルと彼のように、都合のいい時だけ肌を重ねるような関係なのか。いずれにしても、二人の間に肉体の交渉があるのは確かだろう。
 昨夜のあの時。グレンの存在に気づくまでは、ロデリックが『彼』だと分かった後、混乱する意識の裏で漠然と、彼がすべてからシェリルを救ってくれるかもしれないと考えていた。
 そんな夢物語のような、都合のいい話があるわけはない。彼とはとうに道を違えている。
 シェリルは小さな溜め息を吐いて、ロデリックが去ったのと反対方向に、市壁の上を歩き出した。ぐるりと回って反対側から帰れば、丁度いい夜の散歩だ。頭も冷める。

 降り注ぐような星空を見上げていたシェリルの耳が、微かな呻き声を拾い上げた。足を止める。見回したが、周囲に人も動物もいない。
 いや。
 彼女は前方にある見張り塔に目を凝らした。
 影が動いている。人間がいる。
 闇に慣れるに従い、輪郭が捉えられた。横たわる影。覆いかぶさる影。その側に屈んでいる影。
 再び呻きが聞こえた。いや、くぐもったすすり泣きだ。
 男二人が女を押さえ込んでいる。
 何が行われているか悟り、シェリルは硬直した。その瞬間、サンダルの下に挟まった砂利が、小さな音を立てる。
 屈んでいる男が、耳ざとくシェリルに気づき、こちらを振り向いた。
 逃げなければ。
 大声を出せば、立ち去ったばかりのロデリックが気づくだろう。別れた場所からは少し離れているが、彼はとても耳がいい。
 だが彼を何と呼ぶか、ほんの一瞬、逡巡した彼女は動きが遅れた。

 若い男は俊敏に動き、シェリルに追いついた。腕をがっちりと捕らえて、引き寄せられる。振り向いて男を認めた彼女の表情は、恐怖に強張った。
 なんということだろう。反対側の西の見張り塔の上で、シェリルを組み伏せたあの男だった。
 ポールというその男が、公都にいた頃からよく問題を起こしていたと、サラが語っていたことを思い出した。エドワードが、グレンやレジーナたちが知らないところで、略奪や強姦が横行していると叫んでいたことも。
 男もシェリルの顔を覚えていたらしい。喜色が浮かんだ。
「おお~、誰かと思ったら、あんたか」
 触らないで。離して。あなたに触れられることを、私は許せない。愛していなくても、愛されていなくても、許せる男もいる。でもあなたは許せない。
 心の中の叫びは、唇からは欠片すら漏れなかった。シェリルはただ震えながら、ポールを凝視していた。先日の得体の知れない恐怖と嫌悪感が、体の内側から這い上がってくる。
「また、夜の散歩か? ん?」
 馴れ馴れしく抱きすくめて囁きながら、男はいきなりシェリルに唇を寄せてきた。顔を背けたが、頭を押さえられて強引にくちづけされる。唾液の匂いが不快だった。
「いや……離して」
 ありったけの力で彼を押し退けようとした。膝で彼の腹を打つと、男の顔が歪んだ。顎を強烈な力で掴まれる。
「おい、痛いだろ。おとなしくしろ。──相棒がヤってる間、俺ヒマだったんだよ。丁度よかった。優しくしてやるから、静かにして」
 低く恫喝した後、兵士は一転して猫なで声を出した。顎をつかむ力も僅かに緩む。シェリルを覗き込む顔は、決して醜くはない。むしろ男性として魅力的なほどだったが、やはり彼に触れられるのは嫌だった。シェリルをただ、結合できる女としか思っていない男だ。
 ううっという、押し殺した女のすすり泣きが、もう一度聞こえた。見張り塔の陰で行われているのは、合意した男女の睦みあいではなさそうだ。男の一方的な聞き苦しい喘ぎが、断続的に響いてきた。 

 息を吐き、体の力を抜く。
 シェリルがおとなしくなったと思ったのか、ポールは満足そうに微笑んだ。
「よし、いい子だ。この前、あんただって気持ちよかっただろ? もう一回楽しもうぜ」
 言い終わらないうちに、男が唇を再び重ね、強引に舌を差し入れてくる。
「んっ……」
 シェリルは微かな声を上げながら、膝の力を抜いて、くず折れるように地面に座り込む。
 男もそうしながら、遠慮なくシェリルの豊かな乳房に手を伸ばした。痛いほどの力で揉まれる。彼の手がその中心をかすめると、鋭い刺激が臍の奥に突き刺さった。
「あんた、敏感だなあ。もう乳首が固くなってる」
 唇を離した若い兵士は、囁きながらシェリルの服の紐に手をかけた。乱暴な手つきでそれが解かれ、あっという間に服が押し下げられる。乳房がむきだしになった。
 男は赤子のように、そこに顔を寄せた。
 舌が触れた部分から、嫌悪を伴った、だが確かな快楽が流れてくる。

 でも私はやはり、この男が許せない。
 何もかも思い通りになるほど、世界は優しくはない。時には降りかかる災難に立ち向かうばかりでなく、受け入れることも必要だろう。
 だが逆に、自分を深く憎みたくないなら、戦わなくてはならないこともきっとある。
 流れてくる快感が体を重たくする前に、動かなければならない。
 男の愛撫を甘んじて受けながら、シェリルは膝を静かに曲げ、右手を伸ばした。服の下、脛に括りつけた短剣の柄に手が届く。
 男を受け入れられるか。決めるのは快楽に震える私の体ではない。頭だ。
 乳房を貪る男を見下ろした。今夜は見張りではないらしい。鎧を着ていない彼の首筋がよく見える。
 どこを切り裂けば一撃で殺せるか。レジーナが教えてくれた。
 半端な抵抗は身の危険を招く。男の気性と膂力は分かっているつもりだ。少々傷をつけたくらいでは、怒りを買うだけだろう。
 それに早く、向こうで襲われている女も助けなければ。
 強姦されかけたとはいえ、大公軍の兵士を手にかけたりすれば、シェリルとレジーナ、この城がどうなるか。不安は沸いた。
 だが結局のところ、それを決めるのはグレンだ。幸か不幸か、彼はシェリルをそこそこ気に入ってくれている。あとでどうにかして、彼を説き伏せればいい。それに彼は、ポールという兵士の処分を、シェリルの好きなように決めていいと言っていた。
 簡単だ。
 盗賊団を滅ぼしてから、シェリルは他人を手にかけたことはない。だが良心の呵責を押し込め、彼女は冷たく決意した。早くこの男を始末して、もう一人の女を助けるのだ。
 早くしなければ。動けなくなる前に。
 動作をさとられないように、わざと肩を上下させて息を荒げながら、シェリルは短剣の柄を握った。
 静かに抜く。



<第二章:終>



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~ Comment ~

NoTitle 

お久し振りです。九日ぶりの更新待ってました。
シェリルどうなって行くんでしょうか?
ロデリックやレジーナとグレンの関係も!
ますます気になります。
もう次の更新が待ち遠しいです。
ちょっと間が空いたので震災に遭われたのでは?
と心配してました。

RE: 明日香さん 

コメントありがとうございます!
お返事が大幅に遅れてしまって、ごめんなさい。

更新まで間が空いてしまいましたが、二章の最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

シェリルは内面の葛藤のひとつにケリつけましたが、それが新たな葛藤の始まりだったりしそうですね^^;
三章では、また別の人が中心になって展開するのですが、引き続きレジーナやグレン、ロデリックなどにも触れていきます。

第三章の更新が遅れていてすみません。
色々と微修正した後、近日中に更新を開始する予定です。

南関東だったので、震災の被害はそれほどありませんでした。
ご心配いただいて、ありがとうございます。
被災地をはじめとして、まだまだ皆様大変ですが、一日も早く生活が落ち着くことを祈っています。

震災とは全く別に、最近体調を崩しがちで更新が滞っています。面目ありません><
できるだけコンスタントに更新を続けたいと思います。
ありがとうございました。

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